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烏芻沙摩(ウスサマ)明王

下半身の病を防ぎ、下の世話にならないとされている守り神様です。

當院の境内にも、本堂向かいの石像と、東司(とうす、=トイレ)入口の木像が祀られている。

みなさまも、家のトイレに御札をはり、真言「オン クロダノウ ウンジャク ソワカ」とお唱えください。

 

 

 

烏芻沙摩明王とは?

 

烏芻沙摩明王は「烈火で不浄を清浄と化す力がある」とされ、禅宗や密教では古くから東司(とうす)の守護神とされ祀られています。そのため、烏芻沙摩明王は一般的にもトイレの守り神として有名ですが、下半身の病や婦人科の病気からも守護してくれる力があるとされています。

 

頭髪は火焔で、顔は怒りの相をあらわしています。六臂(六本の腕)にはそれぞれ武器をもち、全身が炎につつまれています。右足を大きく上げて片足で立った姿が特徴です。

お寺なのに神様?

 

「烏芻沙摩明王」はルーツは古代インド神話において「アグニ」と呼ばれた炎の神様です。

仏教では明王としてとりいれられました。「明王」とは、仏の知恵(真言)を身につけた偉大な人のことで、日本の大乗仏教の世界では、大日如来の命を受けて、衆生を救済する役目があるとされている仏様のことです。「烏芻沙摩明王」は、明王の中でも特に中心的役割を果たす五大明王のひとつです。

 

 

 

烏芻沙摩明王と東司

 

禅宗ではトイレのことを東司(とうす)と呼びます。

そして、僧堂(=修行僧が暮らすお堂)・浴司(よくす、=風呂)・東司(とうす、=トイレ)を三黙道場といい、言葉を発せずただ黙々と修行を行うべき大切な場所とされています。

烏芻沙摩明王は、本来清浄なる自己に目覚めさせるという功徳にあやかり、東司に祀られます。

東司の作法<作法是宗旨>

 

曹洞宗には「作法是宗旨」という言葉があります。

「作法、これ宗旨なり、得道、これ作法なり」(道元禅師『正法眼蔵』洗浄巻)といわれ、日々の一挙手一投足を仏法にならって行じ、日常生活に仏法の真意を捉えることこそが、仏教の宗旨であると考えています。

 

そのため、曹洞宗では叢林における細かな作法が伝えられています。

例えば、東司の作法では、入ってまず烏芻沙摩明王にお拝をすることから、衣のたたみ方、掛け方、手の洗い方などさまざまあります。その際、浄や不浄といった考え方をやめ、ただその作法に集中することが大切です。東司の作法は、ただ身体の浄化だけではなく、心の浄化へとつながります。

烏芻沙摩明王の御札

 

みなさんが普段トイレを使うとき、僧堂と同じような作法を取り入れるのは難しいものです。

そこで、當院では烏芻沙摩明王の御札を、家のトイレにはっていただくことをおすすめしています。御札をトイレの内側のドアや壁、目線よりも少し上の位置にはりましょう。

 

トイレを使うときは、真言「オン クロダノウ ウンジャク ソワカ」とお唱えください。

口にださずとも、心の中でお唱えするだけでもよいでしょう。

心を整え、丁寧に真言を唱えることで、烏芻沙摩明王の御功徳を頂戴します。

烏芻沙摩明王は烈火で不浄を浄化する力があり、下半身の病を防いでくれます。

 

トイレを使うときはただ用を済ませる場所と考えず、また、お掃除するときもただ汚れを落とす作業と考えず、烏芻沙摩明王への感謝の気持ちをもち、心の浄化にもぜひ取り組んでみてください。

 

御札は毎年新しいものに交換してください。古い御札は、當院でお預かりし、毎年行うウスサマまつりにてお焚き上げいたします。

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